- どんなことを意識して仕事に取り組めばよいかわかる
- どんなスキルを身に着ければよいかわかる
本記事では、そんなお悩みをお持ちの方に、意識してもらいたい3つのビジネススキルについて解説しております。
「周りの社員と接点がなくてどんなスキルを身に着けたらよいかわからない。。。」、「周りに目指すべき存在がいない。。。」、「このままじゃ、将来が不安。。。」とお悩みの方は、是非この記事を読んで、ご自身にあったスキル獲得の参考にしてもらえれば幸いです。
Contents
ビジネススキルとは?
まず、皆さんは、ビジネススキルと聞いて何を思い浮かべますか?
「コミュニケーション力」、「PCスキル」、「ネゴシエーションスキル」、「語学力」、「ロジカルシンキング」など、様々なものを思い浮かべられたことでしょう。
ビジネススキルとは、用語そのままの意味で、ビジネスで用いられるスキルのことを指すので、対象が広範囲にわたります。
そこで、ビジネススキルをより整理しやすくするために、ここでは、ハーバード大学の経営学者ロバート・カッツが提唱した3つのビジネススキルについてご紹介します。
ロバート・カッツが提唱した3つのスキル
ハーバード大学の経営学者ロバート・カッツは、「カッツ・モデル」と呼ばれる『役職に応じて必要とされる能力』の割合を考えるフレームワークを提唱しました。
この「カッツ・モデル」は、1950年代に提唱されていますが、今もなお、多くのビジネスパーソンに、人材育成や組織開発の指針づくりで引用・参考にされています。
この「カッツ・モデル」では、ビジネススキルと役職をそれぞれ次の3つに分類しています。
ビジネススキルは、「テクニカルスキル」、「ヒューマンスキル」、「コンセプチュアルスキル」、役職は「トップマネジメント(幹部クラス)」、「ミドルマネジメント(中堅管理職)」、「ロワーマネジメント(非管理職)」に分類されています。
先程、ビジネススキルは、広範囲にわたると解説しましたが、ビジネススキルを次の3つに分類することで、習得すべきスキルがイメージしやすくなると思います。
3つのビジネススキル
- テクニカルスキル
- ヒューマンスキル
- コンセプチュアルスキル
また、仕事内容や役職によって、どのスキルを習得すればよいかというのも整理しやすいと思うので、ご自身の仕事内容や役職を、次の3つに区分し、必要とされるスキルを整理してみましょう。
3つのマネジメント階層
- トップマネジメント
- ミドルマネジメント
- ロワーマネジメント
ここでは、「テクニカルスキル」、「ヒューマンスキル」、「コンセプチュアルスキル」について解説したのち、「トップマネジメント(幹部クラス)」、「ミドルマネジメント(中堅管理職)」、「ロワーマネジメント(非管理職)」で、求められるそれぞれのスキルの割合について解説致します。
それではひとつずつ解説していきます。
テクニカルスキル
「テクニカルスキル」とは業務に必要なスキルのことを指し、「業務遂行能力」とも呼ばれます。
電話対応や、WordやExcelなどのパソコン操作、英会話能力、会計業務など、主に現場で働く人に求めれているスキルのことで、働く業界や職種によっても内容は変わってきます。
主なテクニカルスキル
- プログラミング
- マーケティング
- 情報収集力
- 商品知識
- 分析力
- マネジメント
テクニカルスキルは、抽象度の高いヒューマンスキルとは異なり、アセスメントなどを用いて個々のスキルレベルを可視化することができます。
「うちの会社の社員はスキルがそこまで高くない」、「新入社員をどう育成したらよいかわからない」と悩んでいる上司の方には、是非とも求められるテクニカルなスキルを可視化し、それがきちんとできているのかという評価まで加えて管理しておくのが望ましいでしょう。
そうすることによって、従業員一人ひとりのテクニカルスキルの保有状況を把握でき、組織レベルで不足しているスキルが分かるようになります。
業務遂行能力であるテクニカルスキルは、職種毎に内容が異なります。それぞれの職種で求められるテクニカルスキルの例については、以下の図を参考にしてください。
【職種別テクニカルスキルの例】
職種 | テクニカルスキル |
製造 | 商品知識、機械知識、機械操作技術、製造技術、加工技術 など |
販売 | 商品知識、接客技術、販売技術、接遇力、観察力、説明力 など |
営業 | 商品知識、市場理解、マーケティング力、コミュニケーション力、営業技術、提案力、交渉力、プレゼンテーション力 など |
経理 | 仕訳、原価計算、固定資産管理、月次決算、売上管理、税務処理 など |
人事 | 採用面接、人材育成、給与計算、入退社手続き など |
事務 | 事務処理能力、文書作成能力、パソコンスキル(Oスキル)、接客技術、接遇力、資料作成力 など |
教育 | 担当領域に関する深い知識、指導力、メンタリング技術、コーチング技術 など |
研究 | 研究分野に特化した専門知識、情報収集力、忍耐力、分析力 など |
医療 | 医療知識、薬品知識、患者知識、医療技術、看護技術、介護技術、指導力、メンタリング技術、コーチング技術 など |
福祉 | 医療知識、介護知識、介護保険制度への理解、介護技術、マネジメントスキル など |
上記のように、職種などの業務内容によって異なるテクニカルスキルがある一方で、部署や職種、組織に限らず様々な環境で活用できるテクニカルスキルもあります。
テクニカルスキルは、さらに3つのスキルに分けることができると言われています。
テクニカルスキル
-
汎用スキル
-
専門スキル
-
特化スキル
1.汎用スキル
汎用スキルとは、上記で述べたように、部署や職種、組織に限らず様々な環境で活用することのできる汎用性の高いテクニカルスキルのことを指します。一般的には学生時代または社会人初期の頃に身に付けておくべきスキルとされています。例えば、「ビジネスマナー」や「タイムマネジメント」、「ロジカルシンキング」、「ビジネスライティング」、「パソコンスキル」などが挙げられます。
2.専門スキル
専門スキルは、先ほどの職種別のテクニカルスキルのように、その部署や現場で働く人が身に付けているテクニカルスキルです。社会人になってから磨くスキルであり、実務を遂行する上で重要な役割を果たします。例えば、営業部であれば、提案力や交渉力、プレゼンテーションスキルなどが挙げられます。
3.特化スキル
特化スキルとは、その部署や現場の中でもより高度な業務を担当する際に求められるテクニカルスキルです。特化スキルは非常に専門度が深いために模倣が難しく、希少性が高いスキルと言えます。
テクニカルスキルを習得する際のポイントは、これら3つのスキルをバランスよく身に付けることです。なぜなら、特定のスキルに偏ると、活躍の幅が狭まってしまう可能性があるためです。例えば、特化スキルは高いが汎用スキルが低い人の場合、対応できる業務は限定的であり、他部署への異動や他の業務にアサインすることが難しくなります。
社会人になりたての方や、何から身に着ければよいかわからないといった方であれば、まずは、ベースとなる汎用スキルから身に着けるのがよいでしょう。
専門スキルや特化スキルが人々から求められるスキルであればあるほど、そのスキルをもとに起業することも可能です。
ヒューマンスキル
「ヒューマンスキル」は全ての「対人関係能力」のことを指します。
あなたの周りには、「仕事ができないのに周りからかわいがられている人」、「仕事ができないのに出世している人」はいないでしょうか?
彼・彼女たちは、この「ヒューマンスキル」を武器に社会人生活を送っているんですね。
日本の年功序列が主流で、生産性が低い社会では、テクニカルなスキルがなくとも、この「ヒューマンスキル」さえあれば、生きていくことも不可能ではありません。
円滑な人間関係を築きながら業務を遂行するための能力は、現場で働く人はもちろんのこと、特にマネジメントを担当する管理職には必須のスキルです。
採用現場でよく聞かれる「コミュニケーション能力」などは、「ヒューマンスキル」に内包されるスキルの一つです。コミュニケーション能力の他にも、「交渉力」や「コーチング」、「リーダーシップ」などが挙げられます。
主なヒューマンスキル
-
コミュニケーション力
-
向上心
-
交渉力
-
ヒアリング力
-
コーチング
-
リーダーシップ
-
プレゼンテーション能力
「ヒューマンスキル」はどの階層の人材であっても求められるスキルであるため、比較的早い段階で、これらのスキルを身に着けておくことが望ましいでしょう。
1.コミュニケーション力
コミュニケーション力とは「人間関係をストレスなく構築・維持する能力」であり、ヒューマンスキルの根幹をなすスキルです。どんな仕事でも、お金が発生する以上は、人とコミュニケーションすることが必要になってきますよね。
出社して同僚や上司にあいさつをしたり、何気ない会話を振ったりすることで場を和やかにできるというのも、ある種の「コミュニケーション力」が発揮されているといえます。
注意したいのは、なにも「他人と積極的に会話する」ことだけがコミュニケーションではないということです。なかには無駄なおしゃべりをしたくないという人もいるため、「一人ひとりの性格を把握したうえで適切な接し方ができる」ということが、本当のコミュニケーション力と言えます。
2.向上心
向上心とは「前向きにスキルを磨き続ける能力」のことを指します。「高いマインドセット」とも言われたりしますね。
向上心は、ヒューマンスキルのなかでも個人内で完結するのが特徴です。自分の市場価値を客観的に把握し、定量的・定性的な目標をきちんと立てることができるという自己管理能力という側面もあります。
3.交渉力
交渉力とは「人と人、組織と組織のあいだに立ち、両者の意見交換をスムーズに行える能力」のことです。
調整能力の高さは、社内でも社外でも重宝されます。交渉力は、商談や社内で部署間の意思疎通を図るときに重要です。
相手の伝えたいことを読み取り、それに対してどのように伝えるのかが良いのか、落としどころはどこかを考え、両者の合点がいくところに結論を持っていくスキルは、身に着けておくと必ず人生の武器になること間違いなしです。
「自分は損な役回りばかりしている。。。」、「なぜあの人はあんなに待遇が良いのに、自分は軽率に扱われているんだ。。。」と感じてしまっているあなたは、この「交渉力」を磨いてみてはいかがでしょうか。
こちらの交渉力に関する記事もご確認下さい。
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社会人なら交渉力で身を守れ!全てを成功に導く最強の武器
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4.ヒアリング力
ヒアリング力とは「相手の言葉に耳を傾け、相手のことをしっかりと理解する能力」のことです。
あなたの周りには、「全然仕事ができないのになぜかすごくかわいがられている」タイプの社員はいないでしょうか?そしてその人達は、おそらくこの「ヒアリング力」が長けていたりしませんか?
自ら積極的に発言し、他人に関わるだけでは良い関係性は生まれません。自分だけでなく相手のことをしっかりと理解すること、そして「理解しようとしている」という意志を表明することが大切です。
自分は、「テクニカルなスキルが全くない」という方は、ぜひとも、このヒアリング力を身に着けてみてください。
特別なスキルはなくとも、「相手の事をしっかりと理解したい」という思いをもって、この「ヒアリング力」を発揮すれば、意外と周りが助けてくれるのが日本的会社の良いところとも言えるでしょう。
5.コーチング力
コーチング力とは「同僚や部下の意欲を引き出す能力」のことです。
コーチング力は、主に若手教育などのマネジメントを行う際に発揮される能力です。たとえば新人の業務振り返りなどで、目標が達成できなかったときに「なにが原因でできなかったのか」「どうすれば達成できたのか」をしっかりと相手の言葉で引き出すなどがあります。
若手や新人の明確な目標設定をサポートするといったことができる人ほど、コーチング力が高いといえます。
主に、営業部門や、部下を持つ人にとって、必要とされるスキルと言えるでしょう。
6.リーダーシップ
リーダーシップとは「人や組織を導く能力」のことです。
リーダーシップは、「人や組織を導く能力」のため、あらゆるスキルが求められるといっても良いでしょう。
人や組織が動く道理を考えて実践したり、人や組織に動いてもらえるパーソナリティを持つ必要があったりと、なかなか一言では表すことが難しいですね。
あえて言うならば「目標を設定し、組織に共有したうえで、その目標に向かって組織を動かすことのできる能力」ですかね。
それを実践するには、「ヒューマンスキル」だけでなく、「テクニカルスキル」も必要になってきます。
7.プレゼンテーション力
プレゼンテーション力とは一言で表すと「自分の意思を伝える能力」のことです。
交渉力とも関係しますが、自分の意見を相手に伝えるうえで、目的やメリット・デメリットを的確かつ端的に述べるために必要な能力になります。営業職はもちろんのこと、他の従業員との意思疎通にも有用なため、ヒューマンスキルのなかでも実務性が高い能力とも言えます。
上述の通り、「ヒューマンスキル」というのは、なかなか一朝一夕には習得できるスキルではありません。だからこそ、どんな職務においても重要視されている能力であり、社会人として根幹をなすスキルとしてIT化が進んだとしても必要不可欠なスキルと言えるでしょう。
コンセプチュアルスキル
「コンセプチュアルスキル」とは「概念化能力」とも呼ばれ、物事の本質を見極めることで、個人や組織の可能性を最大限まで高めることができる能力のことです。
コンセプチュアルスキルを身につけると、あいまいで抽象的な「正解のない」問題に直面した場合でも、物事を理論的・創造的に考えることで、周囲の人が納得できる答えを導き出したうえで、「問題を解決するためにこれから何をすればいいか」という計画を立てることも可能になります。
主なコンセプチュアルスキル
- ロジカルシンキング
- クリティカルシンキング
- 俯瞰力
- 先見性 など
あなたの周りには、「すぐに本質を見抜く人」がいないでしょうか?
彼・彼女たちは、このコンセプチュアルスキルが高く、「目の前にある物事を、概念化・抽象化する」ことが得意なんですね。
物事の本質を見極めることは、決して容易なことではありません。しかし、だんだんと役職が経営者層に近くになるにつれて、正解のない事象から逃げることなく向き合い、広い視野で多面的に物事を捉え、誰にでも分かりやすいように可視化し、具体的な行動に落とし込む能力が求められてきます。
コンセプチュアルスキルは、管理者の立場にいる方はもちろん、若手であっても身につけておくと有効なスキルです。若手のうちから、次のコンセプチュアルスキルについて、身に着けておいて損はないでしょう。
【コンセプチュアルスキルの例】
コンセプチュアルスキル | 内容 |
ロジカルシンキング | 物事を主観的にではなく、冷静かつ論理的に考える能力。 |
ラテラルシンキング | 経験や常識に縛られず、自由な発想ができる能力。「水平思考」とも呼ばれる。 |
クリティカルシンキング | 「批判的思考」を意味する。現状に満足せず、組織の問題や周囲の気づいていない組織内の悪習を認識し、批判的に分析して解決策を見つける能力。 |
多面的視野 | 目の前の物事にとらわれず、会社の歴史にもこだわり過ぎず、目の前の事象を複眼的に見る能力。 |
受容性 | 未知の価値観に直面したとき、それを拒絶せずに受け入れる能力 |
応用力 | 技術や能力を工夫し、別の物事に役立てる能力。 |
探求心 | タスクを完了させる際に妥協点を見出すのではなく、「どうしてこの結果になるのか」を常に考えながら研究・分析を行う能力。 |
俯瞰力 | 広い視点で物事を捉え、進行中の業務が全体のプロセスにおいてどの位置にあるか把握する能力。 |
先見性 | 目先のことだけではなく、数年後、数十年後における社会ニーズの推移を予測できる能力。 |
仕事内容よって求められるスキルの割合が異なる?
上述では、「カッツ・モデル」の3つのビジネススキル、「テクニカルスキル」、「ヒューマンスキル」、「コンセプチュアルスキル」についてご紹介しました。
カッツは、さらに役職を「トップマネジメント(幹部クラス)」、「ミドルマネジメント(中堅管理職)」、「ロワーマネジメント(非管理職)」に分類し、階層によってそれぞれのスキルの求められる比率が異なると提唱しています。
上記の表のとおり、ロワーマネジメントから、トップマネジメントになるにつれて、テクニカルスキルの割合が減り、コンセプチュアルスキルの割合が増えていくことが分かると思います。
「若手は手を動かしているのに、経営者層は全然何もしていない」と感じてしまうのは、それぞれの役職で求められる業務内容が変わってくるからなんですね。
ただ、この表を見てもらえばわかるように、「ヒューマンスキル」はどの役職においても同じ割合が必要とされているのがわかると思います。
「ヒューマンスキル」、いわゆる「人間力」というものは、どんな組織、役職においても必要不可欠なスキルということが理解できると思います。
まとめ
今回は、社会人に必要な3つのスキルをご紹介しました。
「テクニカルスキル」、「ヒューマンスキル」、「コンセプチュアルスキル」に区分され、業務内容や役職によって求められてくるものが変わってくることを理解いただけたかと思います。
その中でも「ヒューマンスキル」は、どんな職種、役職でも必要とされているんですよね。
「どんなスキルから身に着けていけばいいかわからない」という方は、まずはこの「ヒューマンスキル」から身に着けてみてはいかがでしょうか。
色んな「ヒューマンスキル」がありますが、長い目で見て、多用する事が多いと思われる「自己紹介」から見直してみてはいかがでしょうか。
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