- 小手川隆氏
- ピーター・リンチ氏
- ウォーレン・バフェット氏
皆さん、株式投資は順調ですか?
思っていたよりなかなか稼げない方も少なくないのではないでしょうか?
今回の記事は、思うように利益が出ず悩んでいる方に是非読んでいただたきたい記事です。
これからお話しするのは、株で大成功した人達が、どのようにその成功に至ったのか、いわば株のサクセスストーリーです。
単にモチベーションを高めるためだけではありません。
成功者たちの体験談からは、きっとあなた自身の成功の糸口が見いだせてくるはずです。
成功例①小手川隆氏
1人目は小手川隆氏、通称BNF氏は日本でも1・2を争う知名度を誇る個人投資家です。
彼の株デビューは21歳、160万円ほどの資金で株式投資を始めます。
彼が株を始めた2000年当時は、インターネットによる株売買はそこまで世間的に広まっておらず、ネットでの確立した方法も多くはありませんでした。
そんな中、小手川氏は株についての勉強を重ね、独自の分析方法を確立し、資産を驚異的なスピードで着実に増やしていきました。
そして、小手川氏にまつわるエピソードの中で最も有名な出来事が、2005年12月8日に発生した「ジェイコム株大量誤発注事件」です。
この事件を契機に、彼はその名を投資家業界に轟かせることになります。
この事件の当日は、人材派遣会社のジェイコム株式会社が東証マザーズに新規上場した日。
みずほ証券のある男性社員が仕事として任されたネット上での注文操作が全ての始まりでした。
彼は上場したてのジェイコム株式を「61万円1株売り」で売りに出すよう指示されていました。
恐るべきことに、彼は誤って「1円61万株売り」で注文してしまったのです。
この大量の売り注文が売り板に発生した瞬間、それまで気配値90万円ほどをつけていたジェイコム株は、この注文により株価が一気に急落し、注文確定からたったの2分でストップ安の57万2000円にまで下落。
自分の過ちに気付いた担当者はすぐに注文の取消しを行いますが、プログラムのバグのせいで東証のコンピュータが取消し注文を受け付けません。
そこでみずほ証券は、その誤発注分を全てみずほ証券自ら買い戻すことになりました。
しかし、みずほ証券が買い戻しに動いたときには既に9万6236株が他の投資家に流れてしまっていたのです。
この時のみずほ証券の損害は甚大で、この誤発注による損失はおよそ407億円にものぼると言われています。
さて、ここで本題の小手川氏に話を戻します。
彼はみずほ証券の担当者がジェイコム株の誤発注をしたとき、いつものようにパソコンで株相場を観察していたそうです。
そして、件の間違いに気が付くと、すぐさま大量の注文を入れたのだとか。
この誤発注、およそ10分後に回収されたと言われています。
チャンスをモノにするだけの徹底した張り込みが功を奏したと言えるでしょう。
また、2000年代前半当時は、市場が全体的に落ち込む不景気な年でしたが、小手川氏は自ら開発した「逆張りスイングトレード」手法によって、この事件以降も大幅な利益を上げ続けます。
株価は常に上昇・下降し続けるわけではなく、たとえ下がり続けている相場でも、所々で細かい反発を繰り返しているという法則があります。
つまりその反発が来るタイミングを狙って現物を買うことができれば、下げ相場でも現物で利益を出せるのです。
まず、25日移動平均線との乖離率を見つけることによって大きく株価を下げた株を見極める。
そして、その直後の反発による上昇幅を利益とする。
こうして小手川氏は、「逆張りスイングトレード」手法を編み出したのです。
しかし、これも並大抵の経験で培えるものではありません。
利益を上げるには常に様々な会社の株の値動きを観察して体得する他にないと小手川氏も語っています。
そうすることで、相場の感覚がつかめるようになり、その先のイメージも湧くようになるようです。
小手川氏は、おそらく200億円は下らない巨額の資産を手に入れています。
しかし、単なる幸運の産物ではなく、彼自身のたゆまぬ努力の賜物だったのです!
たとえすぐには利益が出なくても、株の動きや傾向を丹念にウォッチしていけば、目の前に広がるチャートのどれにチャンスが潜んでいるのか、見抜く力も養われていくのです。
成功例②ピーター・リンチ氏
2人目はピーター・リンチ氏です。
もう一人の「投資の神様」として知られるバフェット氏と双璧をなすほど名高い凄腕の投資家です。
1977年から1990年の間に、アメリカ大手の資産運用会社であるフィデリティで「マゼランファンド」という株式投資信託を運用し、多大な利益を上げています。
彼がマゼランファンドを引き継いだ際、その資産価値は1,800万ドルほどでしたが、退任時にはなんと777倍の140億ドルにまで成長しています。
リンチ氏の投資方法はとても分かりやすいものです。
企業の財務情報・営業形態、その他の非財務的な情報などを仕入れることで企業を分析。
そして分析した企業の中で、長期保有するほどの価値があると思える企業の株のみ購入するという手法です。
彼は、徹底した企業調査から裏付けられた長期投資を実践し、その企業が成長・向上し続ける限り、ずっと持ち続けるという徹底ぶりを見せています。
より詳しく説明すると、まずリンチ氏は、選ぶ銘柄の種類をいくつかのカテゴリーに分けて分析します。
そして、さらに銘柄選択時にはより具体的な複数の項目のチェックリストにいくつ該当するかを評価しているのです。
その分析するうえでのカテゴリーは以下の通りです。
カテゴリー
-
成長の余地が大きい会社の株
- ヒット商品がその会社全体の業績に与えるインパクトが大きいような会社の株
- 他社に真似されないような会社の株
- 業績が成長・拡大している会社の株
- PERが高すぎないような株
そして、銘柄選択の際のより具体的な項目は、以下のようになっています。
項目
-
社名が面白味がない、もしくは馬鹿げている
- その会社の事業の内容・規模に変化がない
- 業種がアナリストにとって推奨しにくい、または感心されない
- 大企業からの独立部門で、優良な財務内容と独立に十分な資金がある
- その会社の株を機関投資家が持っていない
- 業績自体はよいが、評判が芳しくない
- その会社の属する業界が成長性が乏しく、新規参入や競争が比較的少ない
- 継続的に買われる商品を提供している
- テクノロジーをサプライチェーン、資金調達プロセスへ反映しコスト削減している
- 会社の経営陣等のいわゆるインサイダーが、すすんで自社株を買っている
(リンチ氏の記載している内容について本記事では要約・簡略化しています)
リンチ氏は、実際にこの手法を用いて、マゼランファンドの資産規模を777倍にまで増やしているのです。
彼は一部のセクターに資産の大半を投じるという集中投資を行い、公益セクターにファンド全体の資金の内、25%もの金額を投資しています。
その他、PBRが0.5未満の金融機関の銘柄に関しても、約400ほどマゼランファンドの保有する株ポートフォリオに加えています。
これらのことからも、彼は自身の株理念に従い、徹底した投資を行っていたことがうかがえます。
上記で述べたこと以外にも、リンチ氏は独特な投資理論を持っていて、なおかつその理論のほとんどが結果的に成功しています。
そのうちの1つに「子供の目線で銘柄を選びなさい」というものがあります。
彼は、ボストンのとある小学校の子供たちに、株式投資家の立場に立って株を選んでもらったこともあるそうです。
投資に関しては全くの素人であるはずの子供たちに選択を委ねて、上手くいくと誰が思うでしょうか。
驚くべきことに、彼らが選んだ株のほとんどは素晴らしく優秀だったのです。
子供たちが選択した銘柄は、2年間で70%という信じられない高いリターンをたたき出したのです。
以下が、そのポートフォリオの実際の内訳です。
銘柄 | リターン(単位:%) |
ギャップ | 320.3 |
ナイキ | 178.5 |
ウォルマート | 164.7 |
フード・ライオン | 146.9 |
リミテッド | 68.8 |
ペプシコ | 63.8 |
トップス | 55.7 |
ペンテック | 53.1 |
モービル | 19.1 |
IBM | 3.6 |
ウォルト・ディズニー | 3.4 |
ナイネックス | -0.22 |
サバンナ・フーズ | -38.5 |
LAギア | -64.3 |
上記株ポートフォリオの全体リターン | 69.6 |
同時期のS&P500のリターン | 26.08 |
では、この子供たちはどのような理由でこれらの銘柄を選んだのでしょうか?
実のところ、株を選ぶ際、彼らにはにあるルールが課せられていました。
そのルールは実に単純明快です。
「自分が知っているものを買うこと、そして他のメンバーにその会社が何をやっているかを説明できること」、これだけです。
リンチ氏はこの結果を受けて、次の言葉を口にしています。
「クレヨンで絵に描けないアイデアには投資するな」
大人たちは子供よりはるかに企業の収益構造や経済動向を理解しているはずなのに、どういうわけか、よく分からない赤字のベンチャー企業に資金を費やしてしまうことがあります。
しかし、誰にでも簡潔に、具体的には90秒で他人に買った理由を説明できる株を買うことが肝要なのです。
株を気まぐれに、なんとなくで特に理由もなく選んでしまう人がいますが、それももちろんダメ。
株を選ぶ際には、その企業を正しく評価し、買った理由を説明する、この努力なくして投資は実を結びませんし、結果が出なかった時には後悔しか残りません。
リンチ氏は株式投資において、その銘柄を買うときには下調べを怠ってはならず、自分が納得できるような株を買うべきという理念を持っています。
それが世界的な投資家にまで上り詰めた秘訣なのです。
成功例③ウォーレン・バフェット氏
最後はウォーレン・バフェット氏です。
彼は「投資の神様」、「オマハの賢人」とも呼ばれて、世界No.1の投資持株会社であるバークシャー・ハザウェイの筆頭株主であり、同時に会長兼CEOを務めています。
ほとんど株式投資だけで名実ともにトップの富豪にまで上り詰めたバフェット氏は、まさに歴史に名を遺した投資家と言えます。
彼の保有する個人資産は実際1,000億ドルを超えていて、「世界の長者番付」では保有資産の世界ランキングは、Amazon創業者であるジェフ・ベソス、Microsoft創業者であるビル・ゲイツ、LVMHとクリスチャン・ディオールの大株主であるベルナール・アルトーに次いで第4位。
世界最高の投資家という地位は今後も揺るがないと考えられています。
バフェット氏の投資手法は、本来の企業価値よりも割安とされている株に投資する「バリュー投資」。
その株式を長期間にわたって保有し続けるのがバフェット氏の流儀です。
バフェット氏の輝かしい成功を支えてきた具体的な投資原則として、次の6つの条件を満たすか否かが評価基準として考えられています。
条件
-
本来の企業価値より割安な株であること
- 自分がそのビジネスモデルを理解できる企業であること
- 長期的、そして安定的に業績が向上する企業の株であること
- ニーズを的確に把握し、競争で勝ち残れる将来性のある企業であること
- 他人資本、つまり借金が比較的に少なく、自己資本比率の高い企業であること
- ROEが高い企業であること
これがバフェット氏が独自で編み出した投資の原則です。
この原則に則った運用方法を行った結果、実際の彼の1964年~2019年の間に運用成績は274万4,000%の増加となっています。
単純計算で1万円投資していれば、なんと2億7,400万円にもなるのです!
世界でも優良とされるS&P500指数の同期間の成績が2万%弱の増加ということからも、彼の神がかり的な投資結果が見て取れます。
しかもこの55年間で、1年通して利益がマイナスになった年は10年しかなかったとか。
これで、この6原則のルールがいかに有用な指標かということが見て取れます。
またバフェット氏は、ITバブルの崩壊やリーマンショックという様々な金融危機が訪れたにもかかわらず、その影響をもろともしていません。
それは彼が1990年代から世間一般で活発になっていたIT熱を一蹴し、ITに関連する株にほとんど投資しなかったためです。
彼は実際にこんな言葉を残しています。
「独力で考えなかったら投資では成功しない」
彼が、「常に自分の意見を持ち、周りの風潮に流されない」ということを意識してきたからこそ発せられた言葉なのでしょう。
その時代・流行に流されず、目先の利益にとらわれないということも、彼が株式投資で大成功した理由の1つなのです。
その他にも、バフェット氏の株式投資における行動意識として代表的なものに、安くなったタイミングで株を買い、高くなったタイミングで売る、という考えがあります。
これは株の基本中の基本であり、ごくごく当たり前なことのように聞こえますが、いざ実践するとなると非常に難しいものなのです。
集団心理としては、急落する前に株を買い、実際に急落すると株を売らなければならないという、バフェット氏と真逆の行動をとってしまうのです。
彼はその株の基本を忠実に守るという意味合いで次の言葉を残しています。
「株は単純。皆が恐怖に慄いているときに買い、陶酔状態のときに恐怖を覚えて売ればいい」
下落相場のときは、皆が損失を膨らませて、これ以上損失を出すわけにはいかないと、投資に対して抵抗心が強まっています。
そんなときこそ、株価の底値を見定めて大胆に動きなさい。
また、上昇相場のときは、皆浮足立って、絶好の売り場を逃してしまいます。
そんなときこそ、慎重になって高値の内に株を売ってしまいなさい。
バフェット氏はこのような意味合いでこの金言を残しているのです。
常にバフェット氏が株式投資において成功を収めてきた要因。
それは彼自身この金言を心に刻み、自分の意見を持ち続けたことにあったのでしょう。
まとめ
今回は、株式投資の成功例として
まとめ
-
小手川隆氏
-
ピーター・リンチ氏
-
ウォーレン・バフェット氏
の3名を挙げました。
彼らは皆、株式投資の世界で素晴らしい成績を収めています。
そして、株での経験が人生を豊かなものにしていることは間違いないかと思います。
一方で、そんな成功者たちの手法も、一見してみると実は基本的なことばかりだと思われたのではないでしょうか。
「なんだ、結局知ってることしか書いてなかったな」と感じた方もいるかもしれません。
ですが、こうした当り前とも言えるようなセオリーを本当に徹底できる人は、意外なほどに少ないのです。
今一度、ご自身の投資スタイルを見直してみるのも悪くはないのではないでしょうか。